【金取遺跡】

【金取遺跡】



最古級に裏付け 宮守・金取遺跡
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日本最古級とされる宮守村の金取遺跡の、同村教育委員会による2年間に及んだ第2、3次調査の結果、遺跡は、中期旧石器時代(13万~3万年前)のものである可能性がさらに高まった。1日、記者会見を開いた村教委は、科学的な調査によって、遺跡の最も古い地層が5万年前より古いものである可能性が高く、日本における人類の活動をたどる上で、重要な遺跡であると、改めて結論づけた。
今回の調査では、最も古い地層から新たな石器は確認されなかった。しかし、一段新しい地層(3・5万~5万年前)からは、石器を作る時に飛び散る破片に似た5ミリほどチップ計16点と、人が手を加えたと見られる長さ約5ミリ、幅15・2ミリの剥片(はく・へん)1点が見つかったという。

第1次発掘調査中の85年、石器に似た出土物8点が出土した最も古い地層は、放射線量で調べる「光ルミネッセンス年代測定」などで、5万年以上前のものである可能性が高まった。
また、石器に似た出土物8点のうち、3点は石器の可能性が高いと結論付けた。それらの石器3点は、一度大きく割られ、その後、さらに加工された跡が見られたという。他の4点は加工されたものかどうか分からず、残る1点は、自然に割れたものと断定した。
盛岡大学の熊谷常正教授(考古学)は「85年の調査のような大規模な出土はなく残念だったが、金取遺跡が日本最古級である可能性が、科学的に裏付けられたことは評価できる」と語った。

村教委は、今回の調査結果をまとめた報告書を、県内の図書館などに配布。発掘調査はこれで終了し、今後は地層の保護方法などについて検討していくという。(6/1) 朝日

5万年以前の石器片発見 岩手・金取遺跡
 
岩手県宮守村教育委員会は1日、国内最古級とされる9万-5万年前(中期旧石器時代)の金取遺跡(同村)の2003、04年度の調査報告を発表、石器を作る際にできる破片(長さ5ミリ、幅6.5ミリ)が見つかったことを明らかにした。

報告書などによると、調査対象は計約134平方メートルで、出土した地層は火山灰測定などから9万-5万年前。5万-3万5000年前の地層からも同様の破片17点が発見され、いずれも別の場所の石を用いた可能性が高いという。今後は地層をはぎ取り保存する。

金取遺跡は1984年の発掘調査で8万5000-4万年前の石器が出土。旧石器発掘捏造(ねつぞう)問題が発覚して以降、問題と無関係な遺跡として、長崎県平戸市の入口遺跡などと並び国内最古級の遺跡とされる。

今回の調査をした熊谷常正盛岡大教授は「石器を作りながら移動を繰り返していたとみられる当時の人類の暮らしがうかがえる」と話している。(共同)

(06/01 18:05)産経