23高木の獅子舞

23高木の獅子舞


23. 高木の獅子舞い

タイトル:高木の獅子舞い
場所:東大和市高木神社
設置日:平成4年1月30日
材質:ブロンズ
サイズ:H2100×W1200×D900センチメートル

(作品紹介)
  高木の獅子舞いは江戸時代より、毎年九月十九日の高木神社の祭礼に奉納されました。昔、悪疫が流行したとき、その退散を祈願して踊られたのが始まりと伝えられています。
  獅子舞の行列は、高木神社隣、昔の明楽寺跡の社務所で支度をととのえ、村役の先導にて練り歩き、神社前庭に進んだのです。
  杉の大木の繁る境内で、笛の音や、歌に合わせ演ずる獅子舞は勇壮なものでした。
 

高木の獅子舞

 「大正八年頃のことです。芋窪から塩釜様のお祭を見に行ったことがありました。その時思いがけず獅子舞をやっているのを見たのです。四月十五日の晩でした。十七、八の頃で、高木の獅子舞を見たのはそれが始めてでした。嫁時代は身持(妊娠)すれば塩釜様へ参るものとされていましたから、何度となく行きましたが、獅子舞はこの時以来見たことはありません。

 神前に竹を四本立て、それに注縄を張りその中で獅子が三人(男獅子二人と女獅子)と狐一人が踊ります。みんなわらじをはいていました。小学校六年位の男の子が四人、緋を着て前掛をかけ、まわりに布を下げた花笠をかぶった「ささらすり」に扮してよすま(よすみ)に立っていました。ほかに笛や唄うたいが五、六人いました。

 その頃は役場が高木神社の境内にありましたから、そこで大勢集ってはん台に赤飯を盛っていました。獅子はここで仕度をします。
 役場から獅子の踊る神前までは、すぐじみち(近道)があるのですが、練り歩くために大廻りして繰り込んできます。

 松山の松にからまる 蔦の葉も
  縁がつきれば ころりほこれる
 
 唄に合せて拍子よく、ずっつこ、ずっつこ、ずっつこ、つっと鳴らす竹のささらの音が今も鮮かに耳に残っています。
 これは今年八十一才の野ロトメさんが語る獅子舞の有様です。高木の古老の話では、高木神社の大祭に淋しいからと言って獅子舞を出したことが一、二回あったそうですから、これはその時のことでしょう。
 高木の獅子舞は市の文化財に指定されていますが、どこでも同じように後継者問題が悩みのようです。(『東大和のよもやまばなし』p135~136)