7きつねの嫁どり

7きつねの嫁どり


タイトル:きつねの嫁どり
場所:東大和市仲原緑地
 設置日:平成41029
 材質:黒御影石
サイズ:H1700×W750×D750センチメートル
モニュメント「きつねの嫁どり」の写真 (作品紹介)
  昔、村々に電灯のつかなかった頃のことです。遠く東京の空にネオンが明るく見えると、とても珍しくて「あれが東京だべ」と空を眺めていたそうです。
  その頃「きつねの火が通るで見ろや、見ろや」と言われて狭山丘陵の方向を見ると、丘陵の尾根をポーッと赤い火がついたり消えたりし、いくつもいくつも並んで動いていることがあったそうです。
  まるで嫁どりの時のちょうちん行列が歩いてくるかのように、見えたそうです。そしてふっと消えてしまうのだそうです。
-東大和のよもやまばなしから-


「きつねの嫁どり」モニュメント7


「これキツネさんでしょ?」
「そうね、女の子みたい」
「いらっしゃいって、云ってるの?」
「・・・・・」
「うん、でも、ナンカ、云えなくて、モジモジかも」
「いや、初めましてでしょう」
「おすましかも・・・」
 
 東大和市高木、仲原緑地の一角、緑道を歩く親子と人々が集まります。

 このモニュメント、題は「きつねの嫁どり」です。話の出所は、6キロほど北側の村山貯水池に沈んだ石川の里です。市の作品紹介では次のように説明しています。

「昔、村々に電灯のつかなかった頃のことです。遠く東京の空にネオンが明るく見えると、とても珍しくて「あれが東京だべ」と空を眺めていたそうです。

 その頃「きつねの火が通るで見ろや、見ろや」と言われて狭山丘陵の方向を見ると、丘陵の尾根をポーッと赤い火がついたり消えたりし、いくつもいくつも並んで動いていることがあったそうです。
 まるで嫁どりの時のちょうちん行列が歩いてくるかのように、見えたそうです。そしてふっと消えてしまうのだそうです。」

「それが、なんで、この緑地にあるのさ」
「ちっとも不思議じゃないよ。当時は石川の里から一峰越して狭山丘陵を下ると、玉川上水・野火止用水まで一面の畑だったでしょう。だから、上水のキツネと石川のキツネはお互いに訪ねっこして、真ん中でデートしたんだ」
「それ、本当・・・」
「まったく、あてにならないんだから」


 『東大和市のよもやまばなし』は「いたずらぎつね」「娘っこに化けた狐」など、狭山丘陵と野火止用水辺を舞台にした狐の話を伝えます。蔵敷の畑では、タヌキが今も行き来しているようです。
 仲原緑地は用水北緑地に接続し、そこには、モニュメント「つけ木の受け取りメモ」があります。


(2019.02.23.記 文責・安島喜一)