天保10年(1839)
天保10年5月 上p77
七日
南風烈しく、四、五日以前より夜露降
らず、炎熱強く諸作大いに疲れる。夜
久八・九兵衛・清次郎・豊蔵、馬を牽
き夜追(よおい)いに行く途中、高木村の原にて
追剥に出合い、路銭を奪い取らる、盗
賊三、四人の由、豊蔵一人其の場を逃
げ退き、高木村に至り村方の人を頼む
により高木村より人を出す。萩の尾永
蔵、奈良橋前庚申の近辺にて追剥に合
い金三両余奪いとらる。其の外、中藤
向坂の伊之助・高木村の人も路銭を奪いとられし由
夜追(よおい)い 江戸へ出荷の時、仲間と組んで前夜出発、暗い夜道は互いに呼び合って夜どおし馬を追って歩いた