朗読劇台本案

朗読劇台本案

今回は、高木の宮鍋庄兵衛さんが発起人だ。
奈良橋の鎌田喜三も一緒だと
千葉なんとか、有名な人が来るらしい
卓三郎だろ、五日市で憲法の案とかをつくっていて、奈良橋に来てるそうだ。

あ、狭山の人たちが大勢集まっている。
蔵敷の内野杢左衛門さんもみえてる。

雨で、どうしょうもなくぬかるむ道を円乘院へと集まってきます。
午後三時、会は始まりました。
東京横浜毎日新聞の赤羽萬二郎が演説します。

私は声を大きくして云いたい
「速二国会ヲ開キ、立法ノ大権ヲ人民ノ手二掌握セシメよ」と

国会とはなんぞや、
立法はいかにあるべきか

議論が沸きます。
千葉卓三郎が演説します。

「自由ノ理明カナラザレバ民権起ラズ、民権起ラザレバ自治ノ気象振ハザルナリ」

狭山の関田粂右衛門さんが立ち上がりました。

わしらは、来賓の内野杢左衛門さんの指導のもとに、皆の力を結集できる団体って云うか「結社」をつくろうと検討しています。
今日、世話になっている高木の宮鍋庄兵衛さんをはじめ、奈良橋の鎌田佐一郎さん、蔵敷の家野吉次郎さん、芋窪の川鍋正茂さんらと一緒です。
是非、応援頼みます。
いいぞ。
頑張れ。

次のうねりとなる新しい芽生えが生まれていました。



去る廿五日は神奈川県下北多摩郡狭山村円乗院に於て宮鍋庄兵衛、鎌田喜三等の諸氏が発起となりて該地方有志者を会し自由懇親会を催ふさるるに付弊社の赤羽萬二郎も其招きに応じて出席したるが生憎濛々たる宿雨の尚ほ未だ晴れず道途の泥濘殊に甚しかりしにも関はらず参集したる有志者は殆ど二百名なりき斯くて午後三時に至り鎌田氏が起つて該会を開くの旨趣を述へられ尋で会員諸氏の演説あり且つ赤羽は席上二題を演じ了りて全く散会となりしは同八時頃にてありしと云ふ