桜街道の桜2

桜街道の桜2

その二、桜街道

 もとは旧青梅街道で、ここでは江戸街道ともいいました。小平から東大和市駅を通って火災保険会社の寮の前から村山団地の方へ行く道のことですが、ここに美しい桜並木がありました。小鳥が多くひばりが鳴いて、桜の下にはかげろうがゆれていました。小学校一、二年生の遠足の場所でしたし、運動会をしたということも聞きました。花の頃は鹿島さまの裏山へ上ると見事な眺めでしたし、遠くからは白い幕をひいたように見えたそうです。

 この桜は明治十五、六年頃に植えたといわれます。道の両側は畑で、さつまいもや桑の木が植えられ中央が少し小高くなって桜はそこにありました。こさをひくといって切りたおしたこともありました。

 戦前外国人が花見に来て、最初は近づくのがこわくて、おそるおそる見ていたこともあります。
 桜街道という名は比較的新しい呼び名のようで、昭和二十年四月二十四日の空襲で日立が殆ど壊滅状態になりましたがその時に大部分の桜もなくなり、今残るのは名前だけです。
(東大和のよもやまばなしp153)