機織り唄(『東大和市史資料編』9p175

機織り唄(『東大和市史資料編』9p175

③機織唄のー

 はたおり、この地は古くから機織りのさかんな所で、女が生
まれると喜ばれたという話もある。
 はじめにうたわれているものは、明治の中ごろまでうたわれ
たもの、後のうたは、その後のものでテンポが速くなっていく。
この違いは、木綿、つむぎ、めいせんと、織る布が変わったこ
とに関連があるかもしれない。夜毎、娘のところに若い衆がお
しかけるという、時代を、よく反映している。

●はたが織れないから はた神様へ
  どうぞこの手が あがるように
●わたしゃ大田の 金山さまよ
  ほかに木はない 松ばかり
●わたしゃ北方 はんてんそだち
  長い着物にゃ えんがない
●来たら寄ってきなよ おらがうちゃここだ
  寄れば茶もだす酒もだす
●ほれてかよえば 千里も一里
  さほど遠いと おもわない
●水はしもえと 流れるけど
  水にことずて たのまれぬ
●歌はうたいようで かどたつけれど
  ものも言いようで かどかたつ
●今夜来るなら ぞうりでおいで
  げたじゃ二の字の あとがつく
●はたの織りよさ おさなひの軽さ
  これで織れなきゃ 手がぶきよう
●機の調子じゃ 負けないけれど
  浜の松風だよ 音ばかり
●一丈五尺は 旦那さんのおおせ
  あとの五尺は やつのため
●不忍のはすの花さへ、夜明けにや開く
  なぜに開かぬ 主の胸
●一生懸命で 織る機音が
  三里先まで 耳につく

④機織唄の2
●あの娘とそうなら、えんてんぼしで
  はぐさむしりでも、いとやせぬ
●来るか来るかと 機音やめてよ
  てんぼつめたり たるめたり
●あんなおかたに どこみてほれたよ
  お顔に目鼻が あるばかり
●はたおりバッタバタは 私もいやよ
  私も ど百姓は だいきらい
●前の畑が 海ならよいがよ
  かわいい男さんを 船でよぶ
●早くはたおって 千両がねためてよ
  東京見物でも してみたい
●あんなおかたに 目をかけおけばよ
  末は竹の子だよ まるはだか
●末は竹の子だよ まるはだかでもよ
  あの子とそうなら いとやせぬ
●ほれたのくっついたのと 寝てみりゃしたい
  まさかうるさいよと ひとのくち

●ゆうべ来たのは、よばいか猫か
  猫がげたはいて きやしない・

●そうだまったくだよ、にわとりゃはだし
  馬はふりまらで 旅をする
●わたしゃ馬鹿だから いいようになされよ
  たんといいように しておくれ
●あの子だ あの子だと もとでのさわぎよ
  ほれていないせいか よくもない




●来たら寄ってきなよ おらがうちゃここだ
  寄れば茶もだす酒もだす
●ほれてかよえば 千里も一里
  さほど遠いと おもわない
●今夜来るなら ぞうりでおいで
  げたじゃ二の字の あとがつく
●一丈五尺は 旦那さんのおおせ
  あとの五尺は やつのため
●不忍のはすの花さへ、夜明けにや開く
  なぜに開かぬ 主の胸


④機織唄の2

●来るか来るかと 機音やめてよ
  てんぼつめたり たるめたり
●あんなおかたに どこみてほれたよ
  お顔に目鼻が あるばかり
●前の畑が 海ならよいがよ
  かわいい男さんを 船でよぶ
●早くはたおって 千両がねためてよ
  東京見物でも してみたい
●ほれたのくっついたのと 寝てみりゃしたい
  まさかうるさいよと ひとのくち
●ゆうべ来たのは、よばいか猫か
  猫がげたはいて きやしない