水と緑の景観軸
前川、奈良橋川、空堀川、野火止用水を『水と緑の景観軸』として位置づけ、河川・用
水沿いの公園緑地等と関連づける整備により、本市の東西軸として地域のシンボルとなる
ような景観形成に努めます。
都市マスタープラン 27年改訂版
2) 緑と水の都市づくり
(1)ふるさとの緑と水をまもり活用する
都市における自然環境の保全と回復のためには、自然の生態系を維持し、生き物と共生
できる環境の保護に努める必要があります。
そこで、多摩湖を中心とする狭山丘陵を緑と水の拠点として、市街地に残る農地や樹林
地、水辺などの、生活にうるおいを与えるふるさととしての環境を、生態系に配慮しなが
ら保全していきます。
① 狭山丘陵の緑の保全・活用
狭山丘陵の保全を計画的に進めるため、都市計画決定している区域の公有地化に努めま
す。
また、市立狭山緑地の管理にあたっては、適正な管理計画を定め、良好な保全に努めま
す。そのため、市民と行政が協働で計画的な萌芽更新等の管理を継続できるよう体制を整
えるとともに、多摩湖一帯を含め観光・レクリエーションの場として活用されるよう、ハ
イキングコース、サイクリングコース、野草園、休憩・展望スポット等の整備・充実を検
討します。
<現況>
・平成11 年に「緑の基本計画」、平成19 年に「環境基本計画」を策定し、緑のまちづく
りに取組んでいます。
・市北部の丘陵地は法規制・公有地化等で一定の保全は保たれていますが、さらなる公有
地化の推進や、今後の維持管理が課題となっています。
・野火止用水の「せせらぎ」では蛍の幼虫を放流し、生育環境の整備と保全を図っていま
す。
<今後の取組みの基本的な視点>
▽多摩湖及びその周辺の狭山丘陵は本市を特色づける緑と水の資源であり、自然
環境の保全に努めるとともに、環境学習の場、自然と触れ合える観光・レクリ
エーションの場としての積極的な活用に努めます。
▽野火止用水や空堀川などは市民の日常的な癒し空間となっており、公園・緑地
を結ぶネットワーク形成に大切な役割を果たしています。環境、景観、観光資
源を有機的に結びつけるため、水と緑の軸の適切な整備に努めます。
▽緑と水の拠点の保全、水と緑のネットワークの維持・管理については、市民等
による協働の取組み体制づくりに努めます。
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② 水辺の保全・活用
空堀川、奈良橋川については改修により安全性を確保するとともに、水とふれあい、生
き物と親しめる水辺空間の整備となるよう東京都に要請し、前川については、うるおいの
感じられる整備の検討を行います。
また、野火止用水「せせらぎ」では蛍の幼虫の放流を実施しており、市南側の緑と水の
景観軸を構成する重要な水辺空間となっているので、一層の保全に努めます。
③ 農地の保全・活用
市街地の貴重な緑地空間である農地の保全と計画的な公園整備等に資するため、生産緑
地地区制度を積極的に活用するとともに、農業の継続を図るため営農環境の整備や、市民
の緑とのふれあいの場として、市民農園・観光農園などに活用できるよう検討を進めます。
なお、生産緑地地区の多くが平成 34 年に期間経過を迎えるため、農地としての存続を
図るための方策を検討していきます。
④ 樹林地の保全
武蔵野の原風景の面影を残す市街地内の樹林地は、景観形成のうえからも貴重な資源と
いえます。
また、これらの緑は市民共有の財産ともいえるものであり、市民の理解と協力を得て保
全していくよう努めます。
ⅱ)河川景観等の整備
河川等の空間は、緑地とともに人々の心にうるおいや、やすらぎをもたらす貴重な資源
として重視します。
·空堀川等の河川や野火止用水周辺及び都市計画河川整備後の旧河川敷部分では、
四季折々の自然や、ゆっくりと散策が楽しめる空間づくりに努めます。
·河川・用水沿いの建築物等を周囲の景観に調和したものに誘導していきます。