空堀川芝中調整池

空堀川芝中調整池

http://www.karaborigawa.org/kaihou/g42/P6.htm


空堀川の豆知識(5)  空堀川の調整池

小林 寛治


 空堀川には多数の調節池があります。このお陰で今まで大した溢水もなく安全が保たれてきました。
 以前の空堀川は上流から柳瀬川の合流点まで、細く蛇行の激しい河道を同じ幅で三面張りにしたため、早く流れるようになったのですが、反面、川の収容能力が決められてしまい、長雨や一時の豪雨の時には決まって溢水していました。その後、都市計画決定で新しく河道が決まり、下流から川を広げ、掘削する工事が始まりました。工事に先立って東京都は主要な場所に大きな調節池を整備しています。上流からは武蔵村山調整池、上砂・神明調整池(河道内調整池)、芝中調整池(多目的広場がついている)、庚申橋調整池(河道内調整池・未共用)、狭山・高木調整池、上橋上流調整池(49池)、この他最上流部の青梅街道・新薬師橋から新砂新道の中砂橋にいたる新河道は、複断面で調整池の機能を備えています。
 このように幾多の調節池が台風や長雨・集中豪雨にも溢水することなく、空堀川流域の安全性を高めてきています。昨年10月の度重なる台風による大雨にも、これらの調整池が機能して下流の安全を保ってきたことは意外に知られていません。空堀川では現在、西武多摩湖線橋梁架け替え工事が行なわれており、これからは上流部の未整備区間にかかっていきます。河川工事が調整池にかかるようになると、いろいろな意見が出てくることは否めません。上橋上流の調節池が最近の事例です。
 空堀川をよく見ると、東京の都市河川としては河川用地がある程度確保されています。この河川用地の有効利用と、調整池が河川のために生かさ

れ、一体となって流域市民の安全性が高められるよう望みたいものです。