空堀川調整池

空堀川調整池

http://www.karaborigawa.org/kaihou/g74/P4-5.htm

「空堀川“いい川づくり”意見交換会in東大和」報告

小倉 安洋

去る2013年3月30日(土)10時20分、
あいにくの霧雨が降る花冷えのこの日、ご多忙にもかかわらずご参加の尾崎市長と東大和市議4名を加えた約20名の参加者とともに第1部現地視察が集合地点東芝中橋から始まった。
これに先立ち講師など市外の方と市議2名には、モノレール上北台駅に10時に集合後、立野橋、芝中調整池を視察してもらった。空堀川最大の課題である涸れ川の悲しい現実を視て頂いたのである。
東芝中橋右岸からは、今日も切れることなく工場処理水が流れ込んでいたが、そこには、一行を出迎えてくれるがごとく、ダイサギ、コサギ、カルガモが美しい姿、かわいい姿をみせてくれていた。(写真は宮前一の橋付近)


サギたちの狙いは桜の開花とともにその数を増し始めたオイカワであることは間違いない。最近は、「早朝にオイカワの天敵ともいえるカワウが来ている」と私よりやや年上の朝が早いおじさんが教えてくれたのは3日ほど前の話。すぐ下流の砂の川橋から南へわずかに坂を上ると砂の台橋。ここは、この橋名の「台」の字が奇しくも示す小山のような台地。この台地を切り通しのごとく削り取って護岸の上に聳えるように見える擁壁は数メートルにも及ぶ。砂の川橋からオイカワを見る距離感とは大きく異なる。仮に、新川に水が流れてもオイカワの姿を肉眼で認めることは難しいと感じる。
 現河川に戻り下流に進むと庚申橋調整池の冷たい無機質なコンクリートが現れる。多くの川を見、いい川を知る者は眉をひそめるが、水害体験者には頑丈で堅固で安心感を与える砦に映るだろうか。直線的にすでに姿を現した新川とそれと交差する蛇行する現河川との立体交差は、とても新旧の両方に流すほどの水量はない水の流し方を巡って、市民をも新川派と旧川派に分裂させ、立体交差させてしまう。このような悲しい対立は絶対に避けたい。それには大変だが、そして時間がかかるかも知れないが、市民が真剣にもっともっと話し合いを続けなければならない。民主主義は面倒でやっかいなシステムであることを認め、一人ひとりがほんの少しでも時間を削り合って、

 

 話し合いに参加してほしいと願う。
 午前中の視察は、折り返し点の下砂橋までと進むが、この途中で川の水面をかすめるように、素早く飛んで行ったカワセミを認めることができた人は幸運であった。わずかでもきれいな水があり、そこに小魚が棲むことができれば、いくらでもカワセミに出会えることを保証したい。
 午後の第2部は、定刻の1時に開会され、尾崎市長のあいさつの後、プログラム通りに、国交省国総研主任研究官中村圭吾氏による「多自然川づくりについて」、都が不参加となったため私が行わざるを得なくなった「空堀川(下砂橋~東芝中橋)の整備に関する懇談会まとめ案の報告」、多自然川づくり研究会の吉村伸一氏よる「空堀川のいい川づくり」と進んだ。いずれもパワーポイントを使った映像を多用した説明であったが、短時間のため十分に伝えきらなかったところがあったかも知れない。

意見交換会横断幕

 参加者の川に対する知識レベルはマチマチであり、何回もこのような機会を繰り返さないとレベル合わせは難しい。
 これも民主主義にとっては、ジェネレーションギャップとともに克服を迫られるところである。(写真は会場に貼られた横断幕)
 さて、意見交換会はその名のごとく、最終段階のパネルディスカッションへと進んだ。多くの意見が出された。都の案である現河川の殆どを埋めて緑道とする案に賛成する者。そうでない者。
 下流の整備が終わった東村山市民からは、整備の仕方によっては流れが下流まで届かず途中で涸れることへの心配と、緑道となった旧川の悲惨な姿も語られた。上流の武蔵村山市民からは、東大和と同様な川づくりが何をもたらすかと心配する声も挙がった。川は連続し上流下流が相互に影響し合っていることを再認識する発言であった。参加者皆さまに感謝し、今回の報告と致します。
 参加者アンケート結果は、まとめが完全に終わっていないが、速報としてし次ページに掲載いたします。