都第三次案
「合意書」に付した意見、要望の内容
「合意書」に付した意見およ
び要望事項は、次のとおりです。
一意見一
一、今回提示を得た跡地利用計
画案は、緑地運動公園をはじ
め、駅前広場、道路等、当市
の都市計画に合致するもので
あり、また、広く都民の要望
する高校、福祉施設、住宅が
計画され、地元住民の意向が
生かされております。
ついては、特に公園内への
市立体育館、プールの設置お
よび都立高校の早期開校等、
実現にむけての措置をすみや
かにとるよう求めます。
二、当市の跡地利用構想には含
まれていなかった、警視庁職
員教養研修施設および車両施
設が計画されておりますが、
これについては、基地跡地お
よび周辺都有地を含めた地域
を一体として、地元住民の意
向を尊重しながら、合わせて
東京都としての広域的な利用
を図るとする、貴職の意を了
とします。
しかし、これらの施設の設
置にあたっては、周辺地域の
実情、隣接する施設との関係
等を十分考慮し、適切な措置
をとるよう求めます。
なお、車両施設について
は、輸送力増強を合わせ、当
面の混雑解消の措置を図るよ
う求めます。
三、今回の都、市合意の案をも
って、早急に事業の推進を行
ない、大和基地跡地の現状お
よび施設計画の内容から、国
において留保地をとることな
く、すみやかに処分し、跡地
の早期活用を図るよう、貴職
の特段のご配慮を求めます。
四、跡地利用計画案合意に際し
ての、当市の具体的な要望事
項は次のとおりである。
要望事項
一、公園
①未買収地の早期買収②運
動施設の一時使用中断を避け
るための公園の早期事業化
③公園内への市立体育館・プ
ールの無償設置許可
二、高校
昭和五十八年度開校を目指し
ての早急な事業着手
三、福祉施設
①生活実習所の建設②心身
障害児(者)医療施設の地域
医療への開放
四、住宅
①戸数、住宅の質、住宅関連
公共施設整備等の事前協議
②良好な住環境保全のため工
業地域間への緩衝緑地設置
四、道路
①用地買収および地下理設物
を含む築造費の事業者負担
②利用計画区域内の道路とな
る都有地の無償譲与
六、事前協議
①事業実施にあたっての市と
の事前協議
三次案発表後
明らかにされた施設計画
大和基地跡地利用都第三次案
が示されたのは、去る七月三十
日でした。この問、二か月余。
市では、都三次案が提示され
た翌日の七月三十一日、対策本
部会を開催し内容を報告。つづ
いて、八月五日の本部会には、
東京都都市計画局浜本地域計画
部長らの出席を求あ、都三次案
についての説明を聞きました。
そして、これをもとに、八月六
日対策協議会幹事会を開き、つ
づいて八月十七日には、中央公
民館において、市民報告会を市
民二〇七人が参加する中で開催
しました。その中から出された
疑問等を、さらに都に照会する
など調査の結果、おおむね次の
点が明らかになりました。
【全体計画】
▽計画の実施順位①高校②
配水池およびポンプ場③公園
④その他の施設は明確でない。
今後煮つめる。
【公園】
公園用地の中に未買収地があ
り、当面、買収は困難であるが、
できるだけ早い機会に買収した
い。
▽公園の管理=今後、市と十分
相談する。
▽公園内のプール、体育館の建
設=市立のプール、体育館建設
用地の貸与は可能である。
【住宅】
▽戸数騎七〇〇戸~一、○○○
戸を予定しているが、周辺の環
境を考慮し、市と協議したい。
質の高い、安い賃貸および分
譲住宅を考えている。国の段階
で住宅公団が入る可能性もあ
る。
【高校】
昭和五十六年度用地買収、五
十八年度開校としたい。
面積は三・一㌶から二・五㌶
に減ったが、教育上必要な機能
は確保できる。
【道路】
事業主体は市となるが、その
費用負担は、各事業者が面積に
応じた負担をすることで協議し
ていく。
【警視庁職員教養研修施設】
現在、中野にある警察学校第
二・第三教養部が移転する。
白バイ、パトカー、射撃の訓
練はしない予定。機動隊の訓練
施設は、他に設置しているので
設けない。
【車両施設】
拝島線の輸送計画は、最混雑
一時間あたり、昭和六十年=十
両編成四本(十五分間隔)。昭
和六十五年=十両編成八本(七
・五分間隔)。このためには、
車両施設と複線化は、同時に完
成しないと機能しない。
【都有地の一時開放】
現在財務局が管理しているが
建設局に移管された場合の一部
開放は可能。
【留保地】
三分割・有償処分方針の関係
で、留保地については、国は確
保する方針と思われるが、都と
しては、都案を実現するよう強
くあたっていく。
対策本部
対策協議会
合意見解示す
大和基地対策本部、同対策協
議会では、都三次案とその説明
等によって明らかにされた、諸
々の要件を数回にわたって討議
してきました。そして、対策協議
会は、九月二十六日幹事会を、
対策本部は翌二十七日本部会を
開き、都三次案について、それ
ぞれの立場での考え方、意見な
どを述べました。
その結集、警視庁職員教養研
修施設は、他にもっていけない
か。総合病院がほしい。福祉施
設をぜひ充実させて等々、多数
の意見が出されましたが、都案
にっいては、すべて満足するも
のではないが、一定の要望をつ
けて合意すべきであるとの意見
が多数を占めました。なお、都
三次案反対、結論を出すには時
期早しょうなどの少数意見もあ
りました。
市では、大和基地対策本部、
同協議会の意見もふまえ、市議会
の合意への決議と呼応して、
意見、要望事項を集約し、十月
九日合意したものです。
東やまと市報 昭和55年(1980)10月19日 大和基地跡地利用臨時号