8. きつねの嫁どり
タイトル:きつねの嫁どり
場所:東大和市仲原緑地
設置日:平成4年10月29日
材質:黒御影石
サイズ:H1700×W750×D750センチメートル
(作品紹介)
昔、村々に電灯のつかなかった頃のことです。遠く東京の空にネオンが明るく見えると、とても珍しくて「あれが東京だべ」と空を眺めていたそうです。
その頃「きつねの火が通るで見ろや、見ろや」と言われて狭山丘陵の方向を見ると、丘陵の尾根をポーッと赤い火がついたり消えたりし、いくつもいくつも並んで動いていることがあったそうです。
まるで嫁どりの時のちょうちん行列が歩いてくるかのように、見えたそうです。そしてふっと消えてしまうのだそうです。
【きつねの嫁どり】狐の嫁どり
昔、まだ石川の谷ツに電灯のつかなかった頃のことです。遠く東京の空にはネオンが明るくとてもきれいにうつって見えることがありました。大和村に電灯がついたのは大正六年のことでしたから、とても珍らしくて「あれが東京だべ」と空を眺めたものでした。
その頃、「きつねの火が通るでみろや、みろや」といわれて貯水池の方向をみると、丘陵の尾根をポーッと赤い火がついたり消えたり、いくつもいくつも並んで動いていることがあったそうです。まるで嫁どりの時のちょうちん行列が歩いてくるように見えるのです。そしてふッと消えてしまうというのです。こんな現象を村の人は「きつねの嫁どり」とか「きつねの行列」といっていました。山の尾根や原などによく見られました。
(p171)
きつねの嫁入り
むかし、新堀の土橋のところに「お伊勢山」という松山がありました。石塔が建っていたので、そう呼んでいたということです。
このあたりには、きつねがたくさんいて、雨ふりの夕方などには、ちょうちんの灯が点々とつき、行列を作って土橋の方に進んで行ったそうです。
「ああ、あれは、きつねの嫁入り行列だ。」
しばらくしてフッと灯が消え、もとの闇に戻るということです。(『東大和のよもやまばなし』p172)